協働誘発型組織と自主自考人材が持続可能な成果を紡ぎ出す(株)リンクスビジネスラボラトリー
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代表山田主規コンサルタントコラム

こんにちは。リンクスビジネスラボラトリー代表の山田です。

 

 

さて、引き続き「経営理念」の効果的浸透法についてお届け致します。

前々回は、経営理念が浸透しない主要な要因として

 

1.リーダーの言動不一致によるメンバーの抵抗

2.理念(価値)の押し付けによるメンバーの抵抗

3.理念の意義・意味が腑に落ちないためのメンバーの抵抗

 

という、代表的な3つについてご紹介させて頂きました。

 

更には、抵抗ブレーキを解除せずに、下記のような「更にアクセルをふかす」対応の限界について触れさせて頂きました。

 

⇒会議や朝礼での理念唱和の強化

⇒常日頃の理念の大切さの上からの一方的な講話

⇒経営計画書や社内報、社内の至る所への理念の掲載

 

それは、浸透と言うよりも、むしろ、社員が「納得・共感」を表面上演じるといった減少を引き起こす可能性が生じ、

不一致感の高い雰囲気をどこかに漂わせはじめます。

 

※決して、単純にアクセルが悪いと言うわけではなく、
 ブレーキが掛かったままで、アクセルだけを強化することのリスクを示したものです。

 

 

そして、先週は、経営理念浸透ブレーキの一つである、「リーダーの言動不一致」の解除法についてご紹介させて致しました。

 

 

今週は、2つめの経営理念浸透ブレーキである

「理念の押し付けによるメンバーの抵抗」解除法

 

についてご紹介致します。

 

とその前に、先日、我が家で発生した小さな事件について少し触れさせて頂きます。

 

それは試験を控えた娘が、私に「そろそろ勉強するね」と言いながら、

ちらかしたマンガや洋服を片付けていた時のことでした。

 

そこへ、その文脈を把握していない妻が帰宅し、娘を見るなり

「試験勉強に取り組むことが娘にとっていかに重要か、今直ぐ勉強に取り掛かるべきである」

といったようなことをとうとうと娘に語ったのでした。

 

 

もちろん、妻にすれば、親心からの正論です。

 

そこで何が起こったと思いますが?

「そうそう、私もちょうどそう思っていたところ。よく言ってくれた!!ママありがとう!!」

となったでしょうか?

 

うちの娘が高い精神性を持った子どもなら話は別かも知れませんが、そうではありません。

全く、それとは反対の反応をしたのでした。

 

妻の話を聞いているうちに、だんだんと顔は引きつり、その後無表情となり、口を真一文字に結んで、

小さな声で「わかった」と言うと自分の部屋へ入っていったのです。

 

勉強をはじめたのかと思い、そっと覗いてみると、寝そべってマンガを読んでいるではありませんか。

 

私が聞いてみると

「なんだかよく分からないけれど、ヤル気が急になくなっちゃった」

とポツリと話してくれました。

 

さて、ここで娘の心理状態には何が起こったのでしょうか?

 

それは、「自己選択感」、

すなわち

「自分で◯◯すること選んだ」「自分で◯◯であることを選んだ」という感覚が奪われてしまったことによる、

剥奪者への反感が起こっていたのです。

 

すなわち、「試験勉強をする」ことが是か非かということ以前に、

「自分で選ぶことを取り上げられたこと」に対する心理的抵抗が生じていたのです。

 

実は、人間は、それ自体が適切かどうかというよりも、

その「意思決定に至るプロセス」に大きな影響を受けやすい心理メカニズムを持っているのです。

 

すなわち、その意思決定プロセスが、他者からの押し付けが強いと感じると、

たとえそれがどんなに「適切なこと」でも、積極的にはなりにくいのです。

 

逆に、

その意思決定プロセスが「自分で選んだ感覚が強い時は、

多少の困難や不安が伴っても、それをしっかりと引き受け、自分ごととして、取り組む傾向にあります。

 

 

どうしても、私たちビジネスリーダーは

「自分の正解を部下に一方的にダウンロードしたくなる衝動」

に駆られてしまいますが、そこをぐっと堪えて、

 

相手が「適切な意思決定プロセス」を進めていくことが、実は経営理念浸透の近道と言えるのです。

では、どのようにすれば経営理念は浸透していくのでしょうか。

 

次回は、

「どんなにアクセルを踏んでも、大理石に水をまくように理念が浸透しない」

と感じている組織には特に効果を発揮する、具体的に理念を浸透させる方法をご紹介します。